自動車に搭載されているコンピューター(以下、ECU)の診断をするときに必要なアイテムであるスキャンツール(故障診断機)について解説します。
スキャンツール(故障診断機)とは
スキャンツールとは、ECUの状態(故障など)を確認するための機械のことです。
ECUは自動車の内部にあるものなので、ボディーやタイヤなど外部にあるものとは違い直接目で確認することができません。
なので自動車とスキャンツールを接続して、ECUの状態を読み取り確認をする。そして診断機が故障コードを検知をしたら修理を検討する必要があります。
具体的なコンピューターの状態確認・修理の流れは、
- 経年劣化などが原因でECUや各種センサーが故障
- ECUの機能であるOBDが故障の情報を保存
- メーターパネルの警告灯などを通じて持ち主に故障を知らせる
- 持ち主が車とスキャンツールを接続して故障コードを読み取る(スキャンツールが必要)
- 修理する
- (1)に戻る
です。
ECUの状態確認・修理の流れで必要なものが、スキャンツールです。
スキャンツール(故障診断機)の重要性
これからの時代、自動車整備をするうえでスキャンツールの重要性は増してきます。
これには2つの理由があって
- 自動車1台あたりに搭載されるECUが増加する
- 2024年10月から「OBD車検」が始まる
です。
自動車1台あたりに搭載されるECUが増加する
車種によって大きな差があるものの自動車1台あたりのコンピューター数は近年、増加傾向にあります。
例えば、2015年では約20個、2020年では約25個ほど載っています。
将来予測では、自動運転技術などが搭載されることによって、2025年に約30個ほど搭載されると言われています。
電気自動車の時代になると、自動車1台あたりのECU数はさらに増えると予想できますので、スキャンツールを使って診断する機会も増えることになります。
2024年10月から「OBD車検」が始まる
OBD車検とは簡単に言うと、「コンピューターの検査」のことです。近年、軽自動車から乗用車まで、幅広い車種へ自動運転技術の搭載が進んでいます。
自動運転技術を搭載することによって、人間が運転するより事故件数が低くなると言われていますが、ECUが故障している状態で公道を走ると大きな事故につながる可能性があります。
そのような事故を減らすためにも、2024年10月から「OBD車検」が実施されることが決定しました。
スキャンツール(故障診断機)を購入する前の注意点
スキャンツールを購入する前に必ず確認しておきたいのが、下記の2つです。
- 機能
- 対応車種
機能の確認
スキャンツールは、機種によってできることが様々です。
「スキャンツールを使って何がしたいのか?」を明確にして、必要な機能を持っている機種を選びましょう。
高機能なものは、ブレーキリセット / ステアリングリセット / バッテリーマッチング / ABSエア抜き / イモビライザーマッチング / インジェクターコーディング…など色んなことができます。
低機能なものは、OBD診断のみとシンプルな機能となっています。
対応車種の確認
スキャンツールの機種によって、対応している車種も様々です。
国産車に対応しているスキャンツールなのか、外車に対応しているスキャンツールなのか、はたまた所有している自動車に対応しているスキャンツールなのか。
個人なら所有している自動車に対応しているだけで大丈夫ですが、修理工場などで自動車整備のために使う場合などは幅広い車種に対応しているスキャンツールを選ぶのが得策です。
機能と対応車種を確認したら、あとは予算にあったスキャンツールを選びましょう!
まとめ
スキャンツールとは、ECUの状態(故障など)を確認するための機械のこと。
これからの時代、自動車1台あたりに搭載されるECUが増加するのと、「OBD車検」が始まるので、スキャンツールの重要性は増す。
購入前には、スキャンツールの機能と対応車種を確認する。
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